弟の戦争
◆素晴らしい作品の内容・演出・演技に何度も背筋がぞっとしました。
日常生活の中に突然入りこむ戦争。
常識を体現するトムの家族と、トムが状況を「物語る」ことで、世界を開示し、同時に隠す・・・。
3人の役者さんたちが「語り」を移動させながら創りあげていく世界観から、そんなことを感じました。
心にずしんとくる作品でした。
◆今朝になっても昨日の作品のシーンが頭に浮かんできます。
演出や舞台美術もとても斬新でかっこいいなぁと見とれてしまいましたし、何よりあのストーリーを3人の役者さんだけで演じきられたことに感動いたしました。
舞台に引き込まれるという感覚を久しぶりに味わいました。
◎難しいこともあったけど、主人公の心情などがすごくよくわかった。すごくいいと思った。(中3)
◎戦闘シーンが現実味をおび、バーチャルとは違う怖さが伝わった。(大人)
◎かなしくておもいしろいところがあってよかった。(小4)
◎とてもよく構成された内容でした。戦争はどこか遠くの場所で起きているのではなく、身近な問題であるということを考えさせられました。戦争だけでなく、民族。人種・性の多様性など、様々な問題を扱っていて、若い人たちにぜひ観てもらいたい作品です。(大人)
◎見ごたえのある作品でした。トムが矢面に立ち、弟と両親との架け橋になろうとする強い心の反面、本当は弟が羨ましかった気持ちを告白するシーンが繰り返しあったのが強く印象に残りました。少年兵問題や人種差別など重いテーマで残酷な描写があるも、3名の役者のどこか爽やかな演技に救われました。(大人)
◎戦争はもうしてはいけないと思いながらも、戦争と向き合う時間は一時的で、特に他国の戦争などはどこか自分には関係ないものだと思ってしまう部分がありました。今、私が普通に生活している間に、戦争に出ている人がいることに気づかされました。戦地や戦争に出ている方との距離が遠いようで、近いのだと感じました。(高校生)
◎3人の役者がいろいろな登場人物になったりするけれど、わりと速いテンポの流れの中でも、あまり混乱せずに観られました。アンディが人形であることを忘れるような動き…人形での表現が、逆にリアリティを感じるような気がしました。
◎内容が難しいところもあったけど、美しいセットと動きで、違う世界に行けました。
◇ストーリー、照明の使い方、小動物一つ一つが息を吹き込まれたような愛らしさ、素晴らしい舞台でした。チェロを弾いてみたくなりました。
◇「あめゆじゅ とてちてけんじゃ」中学校の教科書にのっていたこの詩が、今でも口にでます。賢治の心は時代を超えてしっかりと残っています。とても素晴らしい舞台でした。
◇「セロ弾きのゴーシュ」と賢治の日常がうまく合わさって表現されていたと思います。今まで思っていたより、妹トシと賢治の関係性というか、お互いがいかに大事な存在であったのか…。賢治の苦悩が素直に理解できてうれしく思います。いろいろな動物もそれぞれの「もの」で表現されていて面白かったです。末永く続けてほしい作品です。
◇一生懸命やっても「金持ちの道楽だろう」といわれた賢治。あんなにデクノボーといわれていたなんて。聖人君子ではない賢治の人間臭さが伝わってきました。今なら称賛されたのに、時代が早すぎました。
◇紙の本を読んでいても伝わってこない空気感が目の前に立ちあらわれてきました。岩手・花巻の時代、世情、暮らしが活きた言葉のやりとりから垣間見られたと思います。東北人の共感ってきっとあるのでしょうね。
◇松本さんの人形遣いさすがでした。うますぎてうなりました。こんなシーンがもっとあればひきこまれたかもしれません。
◇舞台装置の素晴らしさ、音響のすごさも完璧です。
◆かんどうする、できごとで、けんじさんはデクノボーといわれても、どりょくしつづけたり、いもうとのトシさんはびょうきをかかえているのに、せいいっぱいけんじさんをささえていたところが、よかったです。 中学生
◆見に来た時はあまり乗り気でなかったが、終わった後すごく良かった。 中学生
◆現代文の授業を体を張って、教えてくれた感じで、とてもおもしろく、すごく良かった。 高校生
◆宮沢賢治自身の思い、苦しさ、葛藤、悲しさ、妹への思い、妹の思い、デクノボーと言われていた訳もよくわかった。 大人
◆宮沢賢治の人となり、思いを想像することができました。目に見えない世界を空想することの楽しさを久しぶりに体感して、とても心地よい時間でした。 大人
◆あえて分かりにくいように作られていた。現在は、分かりやすさ・簡単それがいいと言われることが多くなっているが、この作品は昔を観ている。見る人が想像しやすいように、人によって感じ方が違う。 大人
◆賢治の「皆の役に立ちたい」という気持ちと受け入れられない現実。家族の愛と苦悩などが投影されているのだなあと思いました。母の後ろ姿に手を合わせる姿に涙が出ました。 大人
◆おやこ劇場例会
◇印象に残る例会でした。言い直しがかえってリアルな緊迫感になり、語りにひきこまれ、幸子夫人のからだ心配でした。書籍は読んだけど・・・あらためて感銘をうけた。杉原家の深い絆。人としてあたりまえのこと。理不尽な数。もの悲しさや怒り、慈しみなどの感情が入り交じったピアノソナタ。守光さんの表現は、期待を超えていました。本当にすばらしかったです。ピアノありきでした。
◇とにかく、すごくお話しにひきこまれた作品でした。見て五感を養うという私の中のモノが、聞いて、耳で、心の中で景色や五感を感じることができました。自分だったらどう支えたらいいんだろう、重ねながら聞きました。
◇同じ舞台の上に様々な情景がうかびました。杉原さんのことを、この素晴らしい演劇でもっともっと多くの人に伝えていってほしいと思いました。
◇心にグサグサくる話だった。
◇観る前は劇団さんが何人かでやるのかなと思っていたら、女の人がひとりで千畝さんが生まれた事、ユダヤ人へのビザ発行を休まずにしていた事、いろいろ話をしていたので、すごいなと思ったし、ひきこまれそうでした。ピアノの演奏もすごいなとおもいました。
◇初めての観劇の息子には、正直「難しいかな」と思いましたが、思い切って参加することにしました。゛事前゛に参加したことで思ったより困惑せずに観れた様子。ピアノの演奏に興味を持ったようでした。隣に座っていたやさしいお兄さんや、「大丈夫よ」と理解してくださるお母さん方に見守っていただきながらの、初観劇でした。 (Sさん)
◆中学校公演
語りが話しているバックにピアノ演奏が聞こえてきた時、言葉とピアノの音色が一体となって耳に流れこんできた。そのふたつが合わさることで歴史の流れや演じている風景などが伝わってきた。憤り、動揺、静かな怒り・・・ささやかな感情やその変化まで察知できたので精神がとぎすまされた。もし私がユダヤ人なら・・・
もし私が杉原家の者だったら・・・。
お芝居にとてもひきこまれました。夫を説得するシーン、息子をあやす姿、すべての動作に心がこもっていて現実味をおびていて、まばたきするのも惜しく感じました。何の罪もないユダヤ人が無差別に殺害されていくことに強い残酷さを覚えました。寝る間も食事の間も惜しんでビザを書き続ける杉原さんの姿を想像しただけで、とても胸がしめつけられました。